
サムスンの次期折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold 8」で、筐体素材のグレードが下がる可能性が浮上しています。高級感を象徴するチタン製バックプレートが、カーボンファイバー強化プラスチックに置き換えられるかもしれません。
これはコストや供給面での課題に直面しているサムスンが、現実的な選択を迫られていることを意味しています。
Fold 7で採用された「チタン」素材に異変?
現行モデルの「Galaxy Z Fold 7」では、堅牢性と高級感を両立するチタン素材がバックプレートに採用されており、約30万円超というプレミアム価格にもその価値が反映されています。
しかし韓国メディア『The Elec』の報道によると、サムスンは次期Fold 8において、このチタン素材を廃止する可能性があるとのことです。
代替候補として浮上しているのが「カーボンファイバー強化プラスチック」。この素材は、Fold 3世代など過去のZ Foldシリーズで採用されていた実績があり、強度と軽量性に優れる一方で、金属的な質感やプレミアム感ではチタンに劣ります。
コストと供給の壁、背景に米中貿易摩擦も
今回の素材変更の背景には、米中貿易摩擦の影響による供給難があると見られています。現在サムスンが依存している中国のチタン供給元からの調達が困難になっており、それに伴ってコストも上昇。今後の生産体制に支障をきたすおそれがあるのです。
また、チタンは強度が高い反面、加工が難しく、脆くなる特性も持ち合わせています。そのため、スマートフォンの量産や薄型設計には不向きという声もあります。実際、AppleもiPhone 15と16ではチタンを採用しましたが、次期iPhone 17では再びアルミ素材へ回帰するという噂も出てきています。
このように、単なるコストカットではなく、素材選定には製造・設計上の実用性も大きく関係していることがうかがえます。
ユーザーにとっての「ダウングレード感」は否めず
もし実際にチタンから樹脂素材に戻った場合、これまでのZ Foldシリーズに慣れ親しんだユーザーからは「後退」と受け取られるかもしれません。特に、価格が据え置きであればその印象は強まるでしょう。
一方で、Fold 3世代を使用していたユーザーにとっては特段の違和感もないかもしれません。むしろ軽量化や量産性向上など、実使用での利点がある可能性もあります。
Galaxy Z Fold 8の正式発表はまだ先の話であり、今回の情報も現時点では噂に過ぎません。ただし、折りたたみスマートフォン市場が成熟期に差し掛かる中、メーカー各社がコストと性能のバランスをどう取っていくのかは今後も注目されるテーマとなりそうです。サムスンがどのような判断を下すのか、今後の続報に期待が集まります。