
イギリス発のスマートフォンブランド「Nothing(ナッシング)」が、ついに本格的なフラッグシップモデルを市場に投入する見通しです。Google I/O 2025に合わせて公開された動画の中で、創業者でCEOのカール・ペイ氏が新型モデル「Nothing Phone (3)」の価格帯や発売時期に言及しました。
発売は夏、価格は過去最高に
Nothing Phone (3)は、2025年第3四半期(7月〜9月)に発売予定で、Nothingとしてはこれまでで最も高価なモデルとなります。カール・ペイ氏によると、イギリスでの価格は約800ポンド(約15万円相当)。現地の付加価値税(VAT)を除いた換算では、米国では約899ドル程度になると見られています。
なお、先行して発表されている「Nothing Phone (3a) Pro」は550ドルからの価格設定であり、新たなPhone (3)はこれを上回る性能・仕様で位置づけられるとされています。
フラッグシップの名にふさわしい進化
カール・ペイ氏は細かな仕様にはまだ言及していないものの、「高品質な素材」や「大幅なパフォーマンス向上」を予告しています。SoC(プロセッサ)には、**Qualcommの最新ハイエンドチップ「Snapdragon 8s Gen 3」や「Snapdragon 8 Elite」**の採用が見込まれており、パフォーマンス面では現行モデルからの大幅な進化が期待されます。
また、発表された動画ではPhone (3)のデザインがモザイク処理されており、外観についてはベールに包まれたままです。ですが、Nothingが独自に築き上げてきた透明パネルやLEDライトを活かしたデザイン哲学を受け継ぐことは確実と見られます。
Phone (2a)の課題をどう克服するか?
Nothingの前モデル「Phone (2a)」では、ワイヤレス充電の非対応や、480Mbpsという低速なUSB-Cポート、8MPの広角カメラに搭載された小さな1/4インチセンサーなど、フラッグシップとしては物足りなさも指摘されていました。
Phone (3)ではこれらの弱点をどこまで克服できるのか──特に、高速データ転送や充実したカメラ機能の強化、洗練されたユーザー体験の提供が鍵を握りそうです。
Nothing Phone (3)は、ブランドにとって「プレミアム市場への本格参入」を意味する重要な一歩となります。遊び心のあるデザインと独自性を武器に、AppleやSamsungといった大手の牙城にどこまで迫れるのか、今夏の正式発表に注目が集まります。