サムスン、三つ折りディスプレイの量産を6月開始へ──新型「Galaxy G Fold」投入に向け準備加速

世界初の本格派トライフォールドスマホが登場間近

韓国メディアの報道によると、サムスンが6月にもトライフォールド(3つ折り)ディスプレイの量産を開始する見込みです。この新型ディスプレイは、同社初のトライフォールドスマートフォン「Galaxy G Fold」に搭載され、2025年後半にも正式に市場投入されるとみられています。

これまで折りたたみスマートフォンといえば二つ折りが主流でしたが、サムスンは新たなステージへと踏み出そうとしています。長年にわたり開発が続けられてきたこの技術が、いよいよ量産体制に入ろうとしているのです。

初回生産数は20万~30万台規模

業界関係者によると、サムスンディスプレイはまず20万~30万ユニット規模で生産をスタートさせる予定です。新たなフォームファクター(端末形状)であるため、市場の反応を見ながら生産量を徐々に増やしていく方針とみられています。

なお、サムスンはこれまでも様々な技術展示会でトライフォールド技術の試作機を披露しており、今回の量産開始はその集大成といえるでしょう。

価格は高額に?──まずは一部地域で展開か

「Galaxy G Fold」は、現在のGalaxy Z Foldシリーズよりもさらに高度なディスプレイ技術を採用しているため、価格も一段と高額になると予想されています。
具体的には、ファーウェイが発売した同じトライフォールド端末「Mate XT」と同程度、もしくはそれ以上の価格設定になる可能性が指摘されています。

このため、サムスンは最初は一部の国や地域に限定して販売を開始し、段階的に展開エリアを拡大する戦略を取るかもしれません。
参考までに、ファーウェイの「Mate XT」は今年2月の発売以来、すでに40万台以上を販売しており、高価格帯ながらも一定の需要があることが証明されています。

フォルダブル市場の成長が追い風に

折りたたみスマートフォン市場は年々拡大を続けており、多様化するデザインへの期待も高まっています。これにより、サムスンディスプレイが手がける高機能パネルへの需要も一層高まると見込まれます。

同社はこれまでGalaxy Z FoldやZ Flipシリーズ向けにディスプレイを独占供給しており、技術力・シェアともに業界トップクラス。今後、さらなる需要増により数十億ドル規模の収益を生み出す可能性もあります。

今後はアップル向け供給も視野に

サムスンディスプレイの動きは、「Galaxy G Fold」だけにとどまりません。7月には次期モデルとなる「Galaxy Z Fold 7」「Galaxy Z Flip 7」向けのパネル供給も控えており、トライフォールド型と従来型の両方で存在感を示していく構えです。

さらに、早ければ2026年にも登場すると噂されるアップル初のフォルダブルiPhone向けにも、サムスンがディスプレイ供給を担う可能性が浮上しています。

市場調査によると、今後2028年までの間にフォルダブルスマホ用OLED市場は年率14.5%の成長が見込まれており、サムスンディスプレイにとっては今後の事業拡大に向けた大きな追い風となりそうです。

トライフォールド元年、サムスンが切り拓く未来

サムスンがいよいよ本格始動させるトライフォールドスマートフォン市場。
新たなデザインの選択肢が増えることで、ユーザー体験もさらに広がることが期待されています。まずは6月から始まる量産と、年内に予定される「Galaxy G Fold」の発表に注目が集まります。

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