Starlinkが世界規模で通信障害──6万人超に影響、イーロン・マスク氏「すぐに復旧へ」


突如発生した通信トラブル、報告件数は6万件超に

7月24日、SpaceXが提供する衛星インターネットサービス「Starlink」にて、大規模な通信障害が発生しました。トラブルは日本時間の早朝に確認され、ユーザー報告を集計する「Down Detector」には、わずか15分で報告件数が7,800件から一気に6万件超まで急増。全世界で多数のユーザーがインターネットに接続できない状態となりました。

この障害について、Starlinkの公式X(旧Twitter)アカウントは「現在復旧作業中」とコメント。詳細はまだ発表されていないものの、同社は問題の早期解決に向けて対応を進めているとしています。


T-Mobileとの新サービス発表日に発生──タイミングの悪さが話題に

今回の障害は、皮肉にもStarlinkと米T-Mobileが共同で展開する新サービス「T-Satellite」がベータ版を卒業し、正式運用を開始したまさにその日に発生しました。このT-Satelliteは、既存の地上通信網が届かない「圏外エリア」を解消することを目的としており、650機以上のStarlink衛星を活用することで、米国内の広範囲に携帯通信を提供します。

さらにT-Mobileは、同サービスをVerizonやAT&Tのユーザーにも提供することを発表しており、業界における通信環境の革新として注目を集めていた矢先の出来事でした。


イーロン・マスク氏も謝罪「再発防止に取り組む」

この一件に対してSpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏も、X上でコメントを発表。「原因の究明と根本的な対処を行い、同様のトラブルが二度と起こらないようにする」と述べ、さらに「ご不便をおかけして申し訳ない。サービスはまもなく復旧する」と謝罪の意を表明しました。

障害が報告された当初は、非公式のStarlinkステータスページにもアクセスが集中し、一時閲覧不能になるなど、事態の大きさがうかがえました。なお、影響範囲はアメリカ国内にとどまらず、海外のユーザーからも多数の報告が寄せられており、グローバル規模での障害であったことが明らかになっています。


サービスの信頼性が問われる局面に

Starlinkは現在、世界で600万人以上のユーザーにインターネット接続を提供しており、その平均通信速度は180Mbps、遅延は55ms以下とされています。しかし、急速なユーザー拡大や通信密度の偏りにより、時折このような大規模なトラブルが発生するリスクも抱えています。

今回の障害が、Starlinkの成長戦略や今後の信頼性にどう影響するのか。ユーザーや業界関係者の注目が集まる中、SpaceXがどれだけ迅速かつ的確に対応できるかが問われています。

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