スマートフォンの終焉?メタが進める次世代デバイス開発

メタのCEO、マーク・ザッカーバーグは「スマートフォンの時代は終わりに近づいている」と公言しており、同社はその代替となるデバイスの開発に全力を注いでいます。Ray-Banとの提携によるスマートグラスの初代モデルは好評を博しましたが、それはあくまで序章に過ぎません。メタはさらに進化したデザインや最新技術、さらにはディスプレイ内蔵型モデルの開発に着手し、ウェアラブル技術の未来を再定義しようとしています。

さまざまなニーズに応えるスマートグラスの新モデル

Ray-Banとのコラボレーションで成功を収めたメタですが、新たなラインアップの開発にも取り組んでいます。報道によると、「Supernova(スーパーノヴァ)」というコードネームのもと、特定のユーザー層をターゲットにした複数の新モデルが計画されているようです。

まず登場するのは「Supernova 2」。このモデルはOakleyのSphaeraスポーツグラスに着想を得たもので、サイクリストやアウトドア愛好者向けに設計されています。カメラやスピーカー、AI機能を搭載しており、Ray-Banと同じくEssilorLuxotticaグループの製品であるOakleyとの連携は理にかなった動きといえるでしょう。

しかし、真の革新は「Hypernova(ハイパーノヴァ)」にあります。このモデルには右レンズに小型ディスプレイが搭載され、通知やアプリの更新情報、写真のプレビューなどを表示可能になります。完全な拡張現実(AR)機能には至りませんが、その第一歩とも言える仕様です。ただし、価格は約1,000ドルと、300ドル程度のRay-Banモデルに比べて大幅に高額になる見込みです。

メタが目指す本格的な拡張現実

メタは従来型のスマートグラスを進化させるだけでなく、さらに野心的なプロジェクトにも取り組んでいます。その代表格が「Orion(オリオン)」と呼ばれるハイエンドARプロトタイプです。

Hypernovaとは異なり、Orionは本格的な拡張現実を提供することを目標としています。ただし、その仕組みは非常に複雑です。Orionを使用するには、グラス単体ではなく、制御用のブレスレットと外部コンピューティングモジュールも必要になります。その価格は驚異の1万ドルとされており、現時点では一般消費者向けというよりも、開発者向けの製品となりそうです。メタは2026年までにこのデバイスを市場に投入し、SnapのAR Spectaclesなどの競合製品に対抗する構えです。

次に待ち受ける未来

Orionの先には、2027年に登場予定の「Artemis(アルテミス)」という次世代モデルが控えています。このモデルはより軽量化・洗練されたデザインを採用し、一般ユーザーが手軽に使えるAR体験を提供することを目的としています。また、Orionの制御ブレスレットのコンセプトを継承しつつ、より統合された形で実装されると考えられています。これが実現すれば、ARグラスがスマートフォンの本格的な代替手段となる可能性が高まります。

しかし、メタの開発はグラスだけにとどまりません。同社のReality Labs部門では、次のような革新的なウェアラブル技術にも取り組んでいます。

  • 何度も開発中止と復活を繰り返してきた新型スマートウォッチ
  • AIによる環境解析機能を備えたカメラ内蔵型ワイヤレスイヤホン

スマートフォンのない世界へ

メタの急速なウェアラブル技術へのシフトは、同社が長期的に見据えるビジョンを明確に示しています。それは、スマートグラスが従来のモバイルデバイスに取って代わる未来です。

その未来がいつ訪れるのかはまだ定かではありません。しかし、「Hypernova」「Orion」「Artemis」といったプロジェクトの進展を見る限り、その時代は確実に近づいていると言えるでしょう。

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