1月30日、Appleの決算説明会で中国のAI企業DeepSeekについて質問が投げかけられた。これに対し、AppleのCEOであるティム・クック氏は、同社の登場がiPhoneにとってポジティブな影響をもたらす可能性があるとコメントした。
この質問を投げかけたのは、Meliusのアナリストであるベン・ライツェス氏。DeepSeekは、最先端のAIモデルの開発コストや運用コストを劇的に削減する技術を持っており、その影響についてクック氏の見解を求めた。
クック氏は、DeepSeekの最新モデル「V3」がAIトレーニングと運用コストを削減する点において革新的であると認めた上で、Appleの強みについても言及した。
「一般的に言って、効率を向上させるイノベーションは良いことだと考えています。Appleでは、シリコンとソフトウェアを緊密に統合することで、デバイス上での処理とプライベートクラウドでの処理を最適化しています。これはアーキテクチャ的に見てもデバイス上での処理に近い仕組みになっています。」
また、クック氏はAppleの資本支出(CapEx)に関しても慎重かつ計画的に進めていることを強調し、現在のハイブリッドモデルが引き続きAppleにとって有効であると述べた。
Appleは現在、Apple Intelligenceの構築を進めると同時に、OpenAIのChatGPTとの統合も進めている。この戦略は、AI分野での過剰投資を避けつつ、必要な技術を取り入れる柔軟性を確保するものだ。DeepSeekのような技術革新によってAI開発・運用コストが下がることで、Appleはより効率的にAI技術を活用できる環境が整ってきている。
ただし、コスト削減が進むからといってAppleのAI開発への取り組みが緩むわけではない。今後も継続的な進化が求められる中で、AppleがどのようにAI戦略を展開していくのか、引き続き注目されるだろう。
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