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スマートスピーカーの先駆けとして登場したAmazon Alexa。発売当初は手頃な価格と多機能さで注目を集めましたが、ここ数年は大きなアップデートがなく、やや停滞している感が否めません。
しかし、Amazonはここで新たな一手を打ちます。生成系AI(Generative AI)の最新技術を取り入れ、Alexaを大幅に賢くする準備が進んでいるようです。
Anthropic社との提携で進化するAlexa
今回のアップグレードには、AI開発企業Anthropicが深く関わっています。Anthropicは独自の生成系AI「Claude」を開発している企業で、Amazonはこの会社に80億ドルもの投資を行っています。内部情報によると、このClaudeの技術が新しいAlexaの基盤になるとのことです。
これにより、新Alexaはこれまで以上に柔軟な会話が可能になります。従来のAlexaが単発の指示にしか対応できなかったのに対し、新しいモデルでは複数の指示や会話の流れを理解できるようになります。また、ユーザーの好みや履歴を記憶する機能も追加され、たとえば音楽の再生やレストランのおすすめが、よりパーソナライズされたものになります。
次世代Alexaの新機能とは?
新Alexaの特徴的な機能のひとつが、複数の指示を連続して処理する能力です。例えば、「ハンバーガーを注文して」と頼んだ後に、「トマトを抜いて」と追加指示をしても、問題なく対応できます。
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さらに、エージェント機能も備えており、ユーザーが細かく指示を出さなくても、必要な処理を自動で進めてくれるようになります。まさに「頼れるアシスタント」として進化することが期待されます。
「New Alexa」の名称と料金モデルは?
この新バージョンは、開発段階では「Banyan」や「Remarkable Alexa」と呼ばれているようですが、市場での正式名称はまだ未定です。一方、従来型の「クラシックAlexa」は引き続き無料で利用可能ですが、今後新機能の追加は行われません。
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新Alexaに関しては、月額5〜10ドル程度のサブスクリプションが検討されていますが、最初は一部ユーザーに無料で提供される可能性もあるとのことです。Bank of Americaの予測では、既存のAlexaユーザーの10%が月額5ドルで新Alexaを利用すると、年間6億ドルの売上が見込めるとされています。
発表イベントは2月26日か?
Amazon内部では、2月14日に幹部会議が行われ、新Alexaのリリース方針が決定される予定です。もし承認されれば、2月26日に正式発表イベントが開催される見込みです。イベントには、元Microsoft Surface責任者でWindows 11の開発にも関わったパノス・パネイ氏が登壇する予定です。
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