先日、Snapdragon 8 Gen 3の廉価版チップとしてリリースされた2つのアッパーミドル/準フラッグシップ向けチップセット、「Snapdragon 7+ Gen 3」と「Snapdragon 8s Gen 3」。
発表直後からすでに複数の機種への搭載が決まっており、この感じだと、国内でも今年後半くらいからこれらのチップセットを搭載した機種が一気に増えそうな雰囲気です。
(機種名は不明ですが、すでにシャープのAQUOSへの搭載は確実)
このSD7+Gen3とSD8sGen3、SD8Gen3の「廉価版」というだけあって、CPUアーキテクチャは基本的にSD8Gen3と同じで、異なるのは各コア数とクロックスピードとGPUのみ。
というわけで今回はこのSnapdragon 7+ Gen 3、Snapdragon 8s Gen 3、Snapdragon 8 Gen 3のスペック及び性能比較としてみたいと思います。
Snapdragon 7+ Gen 3、Snapdragon 8s Gen 3、Snapdragon 8 Gen 3のスペック比較:
Snapdragon 7+ gen 3 | Snapdragon 8s Gen 3 | Snapdragon 8 Gen 3 | |
プライマリコア | 1 x Cortex-X4 (2.9GHz) | 1 x Cortex-X4 (3.01GHz) | 1 x Cortex-X4 (3.3GHz) |
パフォーマンスコア | 4 x Cortex-A720 (2.6GHz) | 4 x Cortex-A720 (2.61GHz) | 3 x Cortex-A720 (3.25GHz) 2 x Cortex-A720 (2.96GHz) |
高効率コア | 3 x Cortex-A520 (1.9GHZ) | 3 x Cortex-A520 (1.84GHz) | 2 x Cortex-A520 (2.27GHz) |
GPU | Adreno 732 | Adreno 735 (SD8Gen2に搭載) | Adreno 750 |
ご覧のように、Snapdragon 8 Gen 3と他の2つのチップセットではかなりクロックスピードが異なりますが、7+gen3と8sGen3ではそれほど大きな違いはなさそうです。
Snapdragon 7+ Gen 3、Snapdragon 8s Gen 3、Snapdragon 8 Gen 3のベンチマーク比較
以下はSnapdragon 7+ Gen 3搭載の「OnePlus Ace 3V」とSnapdragon 8s Gen 3搭載の「Xiaomi Civi 4 Pro」のGeekbench 6.0におけるベンチマーク比較:
SD7+Gen3とSD8sGen3、CPU性能ではほとんど差なし
50SD8回分の測定値の平均をとると:
Oneplus Ace V4 (Snapdragon 7+ Gen 3) | Xiaomi Civi 4 Pro (Snapdragon 8s Gen 3) | |
シングルコア平均 | 1783 | 1920 |
マルチコア平均 | 4839 | 5028 |
シングルコア、マルチコア、いずれのスコアの差は1割に満たないので、これは誤差の範囲以内と言ってもよさそう。
よって、Snapdragon 7+ Gen 3とSnapdraogn 8s Gen 3はCPU性能という点ではほとんど違いがないと言ってもよさそうです。
SD7+Gen3とSD8sGen3、GPU性能では有意な差
一方、GPU性能を計測する「Geekbench Compute 6」のスコアを比較してみると:
こちらはまだサンプル数が不十分なので、誤差も大きい可能性がありますが、それでもSnapdragon 8s Gen 3の方がSnapdragon 7+ Gen 3よりも1割程度スコアが高くなっているのが分かります。
先のスペック比較表からも分かるように、Snapdragon 8s Gen 3に搭載のチップセットはSD8Gen2にも搭載されていたAdreno 735。一方のSnapdragon 7+ Gen 3のGPUはAdreno 732となっており、これがこのGPU性能の違いとして表れているものと思われます。
ソース: Geekbench
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