Google、VPNでの地域価格抜け道をついに封鎖──Playストアの不正購入対策を強化

「安い国から課金」はもう通用しない

Googleが、Playストアで横行していた地域価格の悪用行為に本格的にメスを入れました。これまで一部のユーザーは、VPNを使って購読時の地域を変更し、アプリやサービスの月額料金が安い国──たとえばナイジェリアやインド──を経由して格安のサブスクリプションを手に入れる“裏技”を活用していました。

しかし今後は、そのような不正な手法は通用しなくなります。Googleは、該当行為を自動的に検出し、購入をブロックする新たなシステムを導入したと発表しました。

開発者にとっては朗報

この施策は、2025年5月に開催された開発者向けイベント「Google I/O」のセッション内で明らかにされたもので、Playストアにおける収益性向上をテーマにした発表の一環です。

開発者は今後、より柔軟に地域別価格やプロモーションを設定できるようになりますが、その一方で“抜け道”を使ったユーザーによる収益損失のリスクは減ることになります。これは特に、物価水準に応じた価格設定を行いたい開発者にとって、大きな安心材料と言えるでしょう。

その他の不正対策も強化

Googleは今回の対策にとどまらず、Play Console上での支払い地域の制限機能や、無料トライアル期間を悪用した課金回避行為に対する保護も強化しています。こうした機能により、過去に見られたさまざまな“グレーゾーン的な抜け道”は次々と封じられていく見込みです。

ユーザーにとっては痛手?それとも健全化の第一歩?

VPNを使った地域偽装は、一部のユーザーにとって“節約術”として認知されていました。しかしながら、これは正規の価格設定を損なう行為でもあります。今回の変更によって、こうした手法に頼っていたユーザーは、「正規価格で契約する」「サブスクを諦める」「さらに危険な手段に走る」といった選択を迫られることになるかもしれません。

それでも、この動きはPlayストア全体の健全化と、より多くの開発者の参入を後押しするものであることは間違いありません。結果として、ユーザーにとってもより多彩で質の高いアプリが揃う未来につながる可能性があります。今後のGoogleの動向にも注目が集まりそうです。

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