
Xiaomiは、新型スマートフォン「Xiaomi 15S Pro」とタブレット「Xiaomi Pad 7 Ultra」において、同社初の自社開発チップセット「XRing O1」を搭載しました。SnapdragonやMediaTekといった大手プロセッサー勢がひしめく中、Xiaomiがこの領域に本格参入したことは大きな話題となっています。現在、両端末の詳細レビューを進めている中で、XRing O1のベンチマーク結果が見えてきたため、その一部を先行してお伝えします。
3nmプロセス採用、Cortex-X925×2の高性能構成
XRing O1は、TSMCの第2世代3nmプロセスを採用し、Cortex-X925コアを2基(最大3.9GHz)搭載することで、ハイエンド帯での存在感を狙った構成となっています。これは、ライバルであるMediaTek Dimensity 9400が1基構成であることを考えると、Xiaomiの攻めの姿勢が見て取れます。
また、Cortex-A725を6基(最大3.4GHz)、省電力タスク向けにCortex-A520を2基(1.8GHz)採用しており、性能と効率のバランスにも配慮された設計です。
CPU性能はSnapdragon 8 Eliteに迫る水準に
Geekbench 6.4のスコアでは、Xiaomi 15S Proがシングルコアで2,985ポイント、マルチコアで9,250ポイントを記録。Snapdragon 8 Eliteを搭載した「Xiaomi 15 Pro」のスコア(3,089/9,404)にはわずかに及ばないものの、非常に近い数値をマークしました。

一方、「Xiaomi Pad 7 Ultra」はやや抑えめのスコア(シングル:2,718/マルチ:9,097)でしたが、こちらはバランスモードでの動作となっており、今後パフォーマンスモードでの再検証が期待されます。
AI性能も同等レベル、NPUも実用域に
AIベンチマーク(Geekbench AI)でも、XRing O1は好成績を残しています。例えば、TensorFlowのクオンタイズ(量子化)NNAPIテストでは、「Xiaomi 15 Pro」と「Pad 7 Ultra」が1,698ポイント、「15S Pro」が1,678ポイントとほぼ同等の結果に。一方、Snapdragon 8 Elite搭載のGalaxy S25 Ultraは1,430ポイントと、やや差をつけられる結果となりました。
今後の検証ポイントは“発熱”と“持続性能”
現時点ではXRing O1のピーク性能は高く、十分に競争力のあることが確認されましたが、真価が問われるのは長時間の使用時にどれだけ性能を維持できるかという点です。Xiaomi初のSoCであるだけに、**発熱によるサーマルスロットリング(性能低下)**や、バッテリー効率への影響については、今後の詳細レビューで注目されるところです。
XiaomiのXRing O1は、初の自社製チップとしては上々のスタートを切った印象です。Snapdragon 8 EliteやDimensity 9400といった強豪に肩を並べるには、性能だけでなく長期的な安定性も求められますが、少なくとも今回のベンチマークではそのポテンシャルを十分に示しました。今後の正式レビュー公開により、より深い評価が下されることになるでしょう。