Pixel 10のモデムはMediaTekではなく引き続きExynosに──Tensor G5の仕様が判明

Googleが今秋のリリースを予定している「Pixel 10」シリーズ。そのプロトタイプと思われる実機の情報が新たにリークされ、注目のTensor G5チップに関する詳細が明らかになりました。ただし、期待されていたモデムの変更は実現しないようです。

TSMC製造の初Tensor、でもモデムは据え置き

Pixel 10シリーズ最大の進化点とされていたのが、SoC(システム・オン・チップ)の変更です。Google独自開発の「Tensor G5」は、これまでSamsungとの共同開発だったTensor Gシリーズとは異なり、完全にGoogle設計による初のTSMC製造チップとなります。これにより、消費電力効率の向上や発熱の抑制が期待されていました。

しかし、新たにリークされたPixel 10 Proの実機画像とともに、搭載されているモデムがExynos 5400であることが確認されました。端末にインストールされたシステム情報アプリ「DevCheck Pro」では、ベースバンドの識別子がPixel 9シリーズと同じ「g5400」で始まっており、Tensor G5でもモデムは変更されていないことが示されています。

MediaTek製モデムの噂は誤報に?

過去の報道では、「Google社内の情報源」によってTensor G5ではMediaTek製のモデムに切り替わるとの話が出ていました。MediaTek製モデムは一般的に消費電力効率が高く、これまでPixelシリーズで指摘されてきた発熱問題の解決策として期待されていたのです。

ただし、Pixel 9シリーズで搭載されたExynos 5400モデムは、従来よりも熱管理が改善されており、パフォーマンスに関してもある程度の最適化が進んでいます。今回のTensor G5は、モデムこそ据え置きながらも、チップ本体がTSMC製に切り替わることでさらなる熱効率の改善が見込めると考えられます。

RAMは16GB、新コア構成も採用か

リークされた情報によれば、Pixel 10 Proには16GBのRAMと256GBのストレージが搭載されており、従来モデルよりもさらに余裕のあるスペックになっています。また、Tensor G5のコア構成にも新たなレイアウトが採用されている模様です。

さらに、Pixel 10で追加される予定の新着信音を収録した動画のサムネイル画像からも、端末のブートローダーにExynos 5400モデムの情報が含まれていることが確認されており、モデムの継続使用はほぼ確実と見てよさそうです。

モデム据え置きでも、期待は持てる仕上がりに

Tensor G5でのMediaTekモデム採用が見送られたのは残念かもしれませんが、TSMC製プロセスへの移行による恩恵は大きく、Pixel 10シリーズの発熱や電池持ちには確実に良い影響を与えるでしょう。Snapdragon搭載モデルに比べると依然として性能面での差はあるかもしれませんが、Pixelシリーズ独自の体験価値と最適化によって、十分に魅力的な選択肢となりそうです。

今後さらに詳細なベンチマークや実機レビューが出てくることで、Pixel 10シリーズの完成度がより明確になるはずです。発売に向けての続報に注目です。

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