
Samsungは本日、次期独自UI「One UI 8」に搭載予定の新たなセキュリティおよびプライバシー機能の詳細を発表しました。Android 16をベースとしたこの新バージョンは、Galaxy Z Fold7およびGalaxy Z Flip7に初めて搭載される見込みです。
アプリごとに暗号化されたデータ領域を用意する「KEEP」
One UI 8での注目機能のひとつが「Knox Enhanced Encrypted Protection(KEEP)」です。これは、各アプリ専用の暗号化ストレージ環境を端末内に構築する仕組みで、アプリが自分自身に関係する機密情報のみにアクセスできるよう制限することで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることができます。
たとえば、ユーザーの行動パターンや好みに基づいた提案機能「Now Brief」や「Smart Gallery検索」などは、KEEPによって保護される個人インサイトを活用しています。これらのデータはすべて端末内にとどまり、KEEPと、改ざん耐性を持つハードウェアセキュリティ「Knox Vault」によって二重に守られます。
よりプライベートで高度なAI体験を実現
KEEPは、Now BriefやSmart Suggestions、Samsung Momentsといったユーザー固有の入力データに基づく機能を保護することで、プライバシーを損なうことなく、よりパーソナライズされたAI体験を提供する基盤となります。
また、個人情報エンジン「Personal Data Engine(PDE)」とも連携し、ユーザーに関する深い洞察を外部に送信することなく端末内で処理できるよう設計されています。
リスク検知時には自動でアカウントからサインアウト
One UI 8では、端末に「深刻なリスク」が検出された場合、たとえばシステムの不正操作や身元の偽装などが疑われると、自動的にSamsungアカウントからサインアウトされます。これにより、クラウド経由のサービスへのアクセスが遮断され、脅威の拡散を防止します。この措置が発動されると、ユーザーにはGalaxyシリーズの他デバイスにも通知が届く仕組みになっています。
将来の量子コンピューター時代に備えたSecure Wi-Fiの強化
サムスンはさらに、One UI 8におけるSecure Wi-Fi機能にも、量子耐性暗号(ポスト量子暗号技術)を導入します。これにより、公共ネットワーク上でも安全な鍵交換が実現され、暗号化通信の安全性が将来にわたって維持される設計となっています。
この新しいSecure Wi-Fiは、量子技術の進化によって従来の暗号が破られるリスクを見越し、長期的なデータ保護を想定した先進的なセキュリティ機能となっています。
今後の展開に期待
サムスンの新たなセキュリティ戦略は、個人情報を守りながらも高度なAI体験を提供するという、次世代スマートフォンに求められるニーズに応える内容となっています。正式発表が予想されるGalaxy Z Fold7およびFlip7では、Android 16とともにOne UI 8が初めて導入される見込みであり、今後の続報にも注目が集まります。