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Qualcommは2025年第1四半期(2024年10月〜12月)の決算で、過去最高となる116億7000万ドル(約1兆7000億円)の売上を発表しました。今回の好調な業績は、**Galaxy S25シリーズに搭載された「Snapdragon 8 Elite」**が大きく貢献しています。しかし、次の四半期は慎重な見通しを示しています。
スマホ市場が牽引するQualcommの業績
Qualcommの売上の中で最も大きな割合を占めたのはスマートフォン関連事業で、前年同期比13%増の75億7000万ドルを記録しました。これは、Galaxy S25シリーズのグローバル市場での成功が主な要因です。
CEOのクリスティアーノ・アモン氏は、「これまでの四半期収益は、当社の技術力と製品戦略、そして顧客からの高い需要を反映している」と述べています。また、新たなAI技術「DeepSeek AI」を例に挙げ、Qualcommが「エッジAI市場での成長を加速させている」と強調しました。
スマホ以外の分野も急成長
スマートフォン事業以外でもQualcommの成長は顕著です。
- 自動車関連事業:前年同期比61%増の9億6100万ドル
- IoT(モノのインターネット):36%増の15億ドル
自動車分野では、Snapdragon Cockpit Eliteが高い評価を得ており、Amazonとのパートナーシップによる車内向けAI体験が注目されています。
スマートグラス市場への期待
QualcommはXR(拡張現実)分野でもリードしています。Meta QuestヘッドセットやRay-Banスマートグラスなどに採用されており、今後登場予定の**Samsungの「Project Moohan」**にも搭載される予定です。
アモン氏は「スマートグラス市場がこれから本格的な普及期に入る」と語り、Metaのマーク・ザッカーバーグ氏も「将来的には数億台規模に成長する」と期待を寄せています。
次の四半期は慎重な見通し
しかし、2025年第2四半期(2025年1月〜3月)の業績については慎重な見方が示されました。
主な要因は、AppleのiPhone 16シリーズの販売好調です。Appleは独自のチップを使用しているため、これがQualcommのスマホ関連売上に影響を与える可能性があります。
さらに、昨年Armとの間で起きたライセンス問題も注目されましたが、アモン氏は「Armがライセンス契約の解除通知を撤回した」と発表。これにより、Qualcommは引き続き独自のカスタムCPUを販売できる状況が維持されることになりました。
まとめ
2025年は、Qualcommにとってスマホ事業だけでなく、自動車やXR、AI分野での成長が期待される年です。次の四半期は慎重なスタートとなりそうですが、今後の動向に注目が集まります。
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